ジョンエスアームストロング

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変動帯の知恵
シクラメン・ペルシクム

 坪内稔典氏の著書「モーロクのすすめ」の中の“変動帯の知恵”に、地震を研究する地球物理学者・尾池和夫氏の『日本列島の巨大地震』に書かれているという次の言葉が引用されていました。

 日本列島は、世界でも珍しい、変動する若い大地で構成されています。
 変動帯にあって地震や噴火や津波とともに動いているこの列島のことを知って、そこでの豊かな自然の恩恵を受けながら、災害から身を守る暮らしの知恵を、もう一度見つめ直すことが大事です。

 巨大な災害が起こるたびに、自然の酷薄さをあらためて感じることしかなかった私には、尾池氏の言葉は目からうろこでした。
 地震を研究する地球物理学者であるからには、私などよりもっと諸行無常というような感情にかられるのではと思われるのに、この前向きの姿勢はどうでしょう。
 尾池氏は俳人でもあり、句集「大地」には次の俳句があります(「モーロクのすすめ」からの更なる引用です)。
 自転する地球の上の冬銀河
 冬晴れやマグマを抱きて眠る富士
 冬の虹京の余震に揺れており
 万緑や膨張宇宙の中にゐる

 “変動帯の知恵”の項で坪内稔典氏は、次のように結んでいます。
 3・11で世界が変わった、言葉も変わったなどという人は、どうも信用できない気がする。そういう人は何かあるとすぐ変わる人なのではないか。
 3・11は巨大な変動であった。それが私たちの考えや感受性に影響を与えることは間違いない。それだけに逆に、変動帯の暮らしの知恵を冷静に見つめたい。
コラム | comments(2) | - | pookmark
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kotonokokoro   2017/03/12 9:51 AM
実に心を動かされ、考えさせられる記事! 
多くの人の目に留まることを願います。




muca   2017/03/13 8:29 PM
kotonokokoroさん
 恐れ入ります。
 特にタイソーなこと書いていません。(^^;)

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