朝日新聞にアスパラクラブというのがあって、無料なので入会しています。 この中にイベントモニターというサービスがあるのですが、朝日新聞社主催の展覧会や音楽会に応募して、当選すれば送られてくる招待券で見た後、意見や感想をメールで送るというものです。 |
イベントはほとんどが東京開催で、いつもは指をくわえて見送るのですが、滋賀県の信楽(しがらき)で開催されるというので応募したら招待券が送られてきました。 滋賀県の場合、応募は100%の確率で受け付けられるのではと思いました(クジ運が悪いので確信しました)。 JRで琵琶湖線から草津線に入り、貴生川(きぶかわ)駅が「信楽高原鐵道」の信楽行きの始発駅になっています。 観光バスぐらいの大きさの車両が1つだけのワンマンカーで『後部乗車、前部降車』とあります。 乗り込むと「乗車整理券をお取り下さい」という掲示がありましたが、どこから取ればいいのか分かりません。 すると運転手が前の方から大きな声で教えてくれました。 左右に出口があるので、逆から乗る場合は分かりにくいのです。 |
ホームにはこんな電話があります。 コインなしでかけられるサービスかと思いました。 電車はすぐに動き出し、初めての利用で珍しかったのでいそいそと前方に行きました。 料金はバスのように(乗車した駅別に)表示盤で教えてくれる仕組みで、早目に両替をしなさいという掲示があったので、両替機を探しました。 運転手が「どこまでですか」と聞くので、私は表示板の駅名を指しました(玉桂寺前という駅名が読めなかったので)。 |
運転手が身を乗り出して見てくれ「ぎょくけいじまえ迄は450円です」と言います(この金額は事前にインターネットで知っていました)。 両替機は運転席のすぐ横にありましたが「紙幣中止」という張り紙があります。 千円札を見せながら「これでいいのですか」と聞いたら「そうです」と答えました。 無事に両替できましたが、このやりとりでずっと心配になっていたことがあります。 横ばかり見ていて運転は大丈夫かと思いました。 運転席の後ろには『運転中は運転手に話しかけないで下さい』という貼り紙があります。 運転席の前に『運転中は乗客に話しかけないで下さい』も必要です。 便利ですね、インターネットの地図は。 写真に目標物が書かれているのは、私のような方向音痴にはとても分かりやすいです。 これを印刷しておいたのを見ながら歩くと距離感もだいじょうぶですね。 |
珍しそうに田や畑、近くの雑草を見ながら歩きます。 子供の頃は、これを投げて人の服にくっつけて遊びました。 引っつき虫と呼んでいましたが、正式には何と言うのでしょう。 |
ところどころ刈り入れが始まっている稲の香りに秋を感じながら、ゆっくり20分ほど歩くと「信楽産業展示館」に着きました。 会場の中のBGMはうるさかったなぁ。 中で寝てしまう客でもいるのかなぁ。 |
会場の中は『汚い手で触るな。倒すと壊れるぞ』という(概略そのような)注意書きだけだったので(写真を撮ってもいいのだろうか)と思い、
1人だけ居た係りの女性に聞いたら、両手でイヤイヤをしながら後ずさりして「いえいえ、だめです〜」と言いました(今からお食事にでもと誘ったわけではない)。 後で会場を出たときに受付を見たら、横に4種類の禁止マークが貼ってありました。 『触るな』だけは何回も注意しないといけないと思ったらしいです。 『倒すと壊れるぞ』は私が勝手に付け加えたのですが、パネルに作品の写真が貼られたのがひとつだけあり、そばに『事故のため写真を掲示しています』とありました。 その写真ですが、円錐形のビルみたいなものを半分ぐらいの高さで斜めに切り、上半分をずらせて乗せたような作品でした。 いつ事故にあっても仕方がないなと思えるものでした。 |
ということで肝心の陶器の画像は載せられませんでした。 グランプリをとった作品『Plaza“雲”』は、チケットに使われていますので、小さいですがそれだけはこのようにご覧いただけます。 |
この作品は審査員から激賞されていたけれど、私の感想は差し控えさせて(格好いいな)いただきます。 ただ、ロクロでこんなに大きくて薄いものが作れるという点には感心しました。 |
産業展示館を出たところは『太陽の広場』と言い、あちらこちらに大きな陶器の作品が置いてありました。 |
信楽に狸はなくてはならないもののようです。 太い足を3本、地面から突き出したのもありました。 私の趣味に合わないので掲載してません。 |
これは『創作研修館』という建物です。 陶芸展は大きな作品ばかりが展示され(大きくないと目立たないな。これは常連以外は応募するのも容易ではないな)と思ったのですが、研修館では優れた作家に共同作業室、窯場などを貸していただけるらしく私にも大きく道が開けているのでした。 |
こんな子がいました。 太陽の広場に参加させるのでしょうか。 まだ完成していないようです。 近寄ってみました。 |
何してるの? 放っておかれてるの? 失礼でしょ〜? これじゃあ、 ものすごく重く見えちゃう |
広場に行かない? 明るくて空気も爽やかだよ 行くわ ちょっと顔つくるから待ってね ?? |
お待たせ・・ いそいだから、気合入れてないけど ・・・ 急に用事を・・思い出して・・ |
玉桂寺です。寄ればよかったと後で思いました。 1メートルの阿弥陀如来立像が安置されているのですが、鎌倉時代(建暦二年)快慶の作と伝えられているそうです(重文)。 また、日本唯一の「神経痛除薬師如来」が安置され、神経痛、リュウマチ病に悩まれている方は、加持力(かじりき)の供養をお受けくださいとあります。 |
玉桂寺からつり橋を渡ったところが玉桂寺前の駅です。 駅の側から眺めています。 しっかりした橋です。 |
駅には最初に見たのと同じ電話機があったので開けてみました。 電話機を引き出してみると、鉄道会社の連絡用みたいです。 「ここに1人お客がいるからね。必ず寄ってね」と掛けてみたかったです。 |
もうひとつ先の駅が終点の「信楽駅」です。 単線なので、この電車が折り返して戻ってくるのを待ちます。 |
陶芸展から駅に向かう途中に、お土産の陶器を売っている小さな店舗の集まりがありました。 店員は見当たらず、中央の「お会計」という場所におばさんが1人いるだけでした。 小さなお地蔵さんが6つ並んでいて1個340円、その中にひとつだけ他のものより黒っぽい汚れがあるお地蔵さんが居ました。 |
上薬を塗る前に黒い絵の具の筆が触れてしまったのかも知れません。 全体が白っぽい他のよりそのお地蔵さんの顔が可愛いと思ったので、それを持って「お会計」へ行きました。 おばさんが「それ汚れていますよ。換えてきましょか」と言います。 (なんでわざわざそんなのを選んで持ってくるのさ)という顔してました。 「これがいいです。かわいいから」と言うと、怪訝な顔をして「じゃあ100円でいいです」と言いました。 100円になっちゃってちょっと気の毒だけど、よけいに可愛くなりました。 |